銀の弾などない

 自民党総裁選の影響で色々な政策が議論されているが、解雇規制緩和はなぁ・・・。

”人材の流動性を高める”ってのは正しいと思う。
新卒を採用したら40年以上ホールドしろってのは今の時代そりゃ無理だ。

だが、解雇されないことに胡坐をかいてロクに自己研鑽しない社員と、年功序列に甘えて部下を評価・教育することから逃げ続けた管理職。
それでずっとやってきた日本社会が、じゃあ解雇規制緩和したら優秀な人材はまっとうに評価されて好待遇に、無能な人材はそうなれるように努力するのか?
御用組合を当てにせずに、自分で上司なり会社なりと戦って賃上げを勝ち取れれるのか?
コミュニケーション能力とか協調性とかを重視して無能でも逆らわない人材をを重視する会社が、能力はあるが使いづらい人材を上手く使えるのか?
無理だろうなぁ。

つか、そもそもそれを目指して派遣法をあれだけ改正した結果が今なのだから、まぁ無理だろ。
なので、たぶん同一労働同一賃金の徹底が大前提だが、それプラス「会社と社員の力関係を平等にする(法的にだけではなく社会規範として)」と「ブラック企業は遠慮なく処罰する」って下地を作らずに解雇規制緩和なんてやったら、”特権階級の正社員”と”奴隷のごとき非正規”に二極化して、たぶん今よりもっとヒドイことになると思われる。