この会社の社員の本音を聞いてみたい

 イベントでは色々な展示品があったが、とある製造業の企業は”社員のやる気をUPさせるコンサルティング”の説明会をしていた。

なんとも異色だったので聞いてみたが、個人的には論外。

まず、”弊社の状況”として説明された

改革前は年に1人くらいの新卒採用だったが、3年以内離職率は67%
⇒ 効果的なコミュニケーションをするようになった
 ⇒ 社員のモチベーションアップ
  ⇒ 改革後は年に3~7人くらい新卒採用し(6年で社員数が1.5倍になった)、3年以内離職率は12%
   ⇒ 生産性が2割向上・残業時間は3割削減
    ⇒ この素晴らしい手法(魔法の言葉)を教えてあげるよ

いやいや、オカシイだろ。
コミュニケーションとモチベーションは置いといて、この”生産性”って何?
生産量(売上)? それだと社員数が1.5倍になって生産量が1.2倍ならむしろ悪化では?
それとも利益? それだと1/3が社会人1~6年目の状態でも利益増えたの? マジ? 教えられる側がそんなすぐに即戦力になったの? 教える側の負荷は? さすがにこれを”コミュニケーションを改善して社員のモチベーションがアップしたから”って言うのはなんぼ何でも精神論すぎない?

そして本題である”コミュニケーションを改善して社員のモチベーションアップ”。
一例として挙げられていたのが、職人に”すごいですね”など”仕事の出来栄えをこちらが判断する”のはダメで”納得いく仕事ができましたか?”と”仕事の出来栄えは職人に判断を委ねる”のが良いらしい。
うん。アホじゃね?
いや、それが有効な場合もある。例えば相手がこだわり、悪く言えば自己満足のために過剰な出来栄えを欲しているような人なら効果はありそう。
でも、全員が全員そういう人って訳じゃないよね。給料のために働いているだけの人、客の要望以上の過剰品質は望まない人、単純に早く帰りたい人。
そういうのを無視して”こう言えば喜ぶだろ”って押しつけがましい発想で、ほんとに社員のモチベーション上がるの?

”社員に寄り添う”とか言いつつ、やってることがこれなんだから正直噴飯もの。