時間に金を払っているのか、成果に金を払っているのか

過重労働撲滅特別対策班(通称・かとく)が、がんばっているせいか、

長時間労働が批判されつつあるが、

ちょっと残業について考えてみた。



一言に残業と言っても、2種類あると思うんだ。

例として、月収30万の人が8時間でこなす成果量を10とする。

1つが「ちゃんと定時内に10の成果をこなしているが、繁忙期とか緊急対応などの会社都合でする残業」。

もう1つが「本人の能力不足によって8時間で10の成果をこなせないからする残業」



ぶっちゃけ、この2つはまったくの別物。

でも、サラリーマンは自分の残業を前者だと思っていて、

経営者は部下の残業を後者だと思っている。



だから会話がかみ合わない。



んで、この2つが混同される原因は単純。

労使で待遇と求められる成果をちゃんと合意していないから。

なんとなく30歳になったからリーダー職になって、

リーダー職になったから給料は○○万円になったけど、

具体的に何をしたら良いのか知らない。

年功序列なんて制度で、適当に待遇と職権と職責と求められる成果を明確化しないで

何となく本人が気が済むように適当に働かせているんだから、

そりゃあぐちゃぐちゃになる。



ぐちゃぐちゃの状態だから、

本来の仕事量なんて本人も会社も分かっていない。

分かっていないから、

上で上げた前者なのか後者なのか見分けがつかない。





そんな訳で、残業時間を法律で規制するのは個人的には反対。

労使で合意した待遇と職権の上で、会社が追加作業を割増賃金を払って依頼するは悪いことではないと思う。

��依頼される側にちゃんと拒否権があること前提だが)

逆に能力不足でノルマをこなせない社員には、ノルマを2割減する代わりに給料も2割カットする権限を

会社が持っているべき。

そして、月収30万で100の成果を要求するようなアホな会社に勤めている人は、

さっさと月収30万で10の成果を要求するまっとうな会社に転職すべき。



と、ここまで書いたが、仕事を修行かなんかと勘違いしている日本人には、

成果ベースの改革は無理か。

まぁ、何気に長時間労働撲滅の方法として一番手っ取り早いのは

サービス残業の厳罰化(懲罰的な意味合いでも10割増しとか)のような気がしないでもないのが

悲しいところではなあるが。